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ねんざとは?

関節に力が加わっておこるケガのうち、骨折や脱臼をのぞいたもの(レントゲンで異常のない関節のケガ)をねんざといいます。

関節には、一定の運動範囲がありますが、スポーツなどで運動範囲以上の動きが強要された結果、関節を構成する「関節包」や「靭帯」「滑膜」がねじれ、部分的に切れてしまう状態です。

<症状は?>

関節により固有の症状がありますが、ここでは全般的に現われる症状について記します。
 

1.    腫れ

ねんざを起こすとほとんどの場合は、関節包靭帯の滑膜に炎症が起こるため腫れが発生します。徐々に腫れが引いていきますが、初期の処置が不十分だと腫れが慢性化し、関節軽骨の変形を生じることもあります。

2.    内出血

損傷の程度にもよりますが、靭帯が部分断裂すると、その部分より出血が生じ、見た目も青黒く皮下出血斑が広がっているのがみられることがあります。このような内出血を生じたものは、しっかり固定しないと、動くたびに傷ついた場所から出血したり、傷口が開き、修復に時間がかかります。断裂範囲が広いと一部の靭帯は修復されないまま萎縮を生じることもあります。

3.    運動痛

ねじった方向へひねると、痛みが一層強くなります。

4.    圧痛

損傷した靭帯と一致した部分を指などで押すと痛みが起こります。

※ 1.~4.の症状は、一般に損傷の程度と一致しますが、痛みを感じにくい靭帯もあるため、あまり痛くないから大丈夫と考えてはいけません。

 

<ねんざの応急処置>

ねんざをしたらすぐにRICE処置をしてください。24~48時間以上はRICE処置をキープしましょう。どの程度なのか自分で判断することは難しいので「立てるか?」「歩けるか?」が大きな目安となり、立てない、歩けないとなると重症の可能性があるので、できるだけ早く整形外科を受診してください。

R(REST=安静)

患部を動かさず、安静にして休む。足には松葉杖を使う、腕は三角巾で吊るなど、体重をかけないこと。

I(ICE=冷却)

炎症を抑え、痛みをとるため、患部を中心に広めの範囲で氷のうやバケツに入れた氷水などで冷やす。冷却スプレー、冷感パックでも効果的。

C(COMPRESSION=圧迫)

内出血や腫れを防ぐため、スポンジや弾性包帯、テーピングで患部を圧迫して固定する。

E(EREVATION=高挙)

患部を心臓より高い位置に保つことで内出血や腫れを防ぐ。

 

<経過>

一般的に安静固定が保持できれば、約2週間で傷ついた靭帯などが修復されます。受傷後、約3~4週は患部を動かすような無理な運動は控えましょう。仮修復の時期は、本来の靭帯が持つ柔軟性や関節支持力より劣るため、わずかな外力でも再発しやすい状態にあります。関節内の傷の積み重ねは、変形性関節症という状態になることもあります。スポーツ選手などは、完全治癒する前に練習や試合に復帰する場合がありますが、専門家による管理下でテーピングによる補強や回復トレーニングの方法などの専門的指導を受ける必要があります。

 

<足のねんざ>

足関節はねんざの中でも最も多い場所です。「くじいたかな」と思っただけで忘れてしまうものから、痛みや不安定性が続き、「靭帯損傷」と診断されて手術しないといけないものまで千差万別です。「靭帯が伸びた」とよくいわれますが、靭帯はゴムのように伸び縮みするわけではなく、切れた靭帯線維の間が修復するための線維で埋まり、弛むのです。弛んで足関節が不安定になった状態ですと、ねんざは繰り返され、世間でよくいわれる「ねんざはクセになる」という状態になります。

こうなると、いわゆる「踏み違え」をいつも起こすばかりでなく「危ない」と思っても「踏ん張る」ことができません。この悪循環を繰り返すと、ねんざが「クセ」になるばかりでなく、足を着くときに「不安感」を覚えるようになります。不幸にして靭帯を弛ませてしまった場合は、ねんざを繰り返さないように注意するしかありません。そのためには、靴が非常に大切で、女性はハイヒール、特に細いヒールは禁物です。ねんざする人が非常に多いサンダルも要注意!後ろのストラップがなく、かかとが浮いてしまうため、足関節の靭帯損傷をおこしやすくなります。

底のしっかりした、ヒールの広い安定した靴を選ぶことが重要で、バスケットシューズのように足首を固定する短靴は装具の代用にもなります。

靭帯は、鍛えることはできません。しかし筋肉は、関節を支え、靭帯を補助するために下腿の筋力、特に腓骨筋(ふくらはぎの外側の筋肉)を鍛えることは、ねんざの予防に有効です。足関節の外反運動、つまり足の裏を外に向ける運動をするとよいでしょう。足で板を水平に維持しながらボールを動かす運動もねんざを防ぐ運動として有効といわれています。

 

足首のねんざは軽く考えがちですが、適切な処置をしないと症状は長引きます。ねんざの正しい知識を身につけて、ケガのリスクを低減しましょう。

 

 西島葉子(にしじま ようこ)

nishijima.jpg 平成6年近畿大学医学部卒業後、大阪市立総合医療センター、済生会富田林病院小児科を経て現在、大阪市東住吉区にて、夫(循環器)と共に、にしじま内科・小児科を開業。6男2女の計8人の子供を育てながら、妻、母親、小児科医のわらじを履きながら毎日奮闘中。

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