ハードな競技で練習も厳しい“ボート”で得る
言葉では言い表せない達成感

1人~5人でボートに乗り込み、それぞれがオールと自らの動きで進んでレース競技を行うボート部。単純に速さを競う競技ですが、ハードな動きに対応する体力、チームメイトとの団結力を必要とします。まだまだ日本ではマイナーなイメージのスポーツで、大阪の中学校でもボート部があるのは清風中学校のみ。今回はキャプテンの岸田くんと、顧問の上田先生にインタビューを行い、ボート部の魅力に迫りました。
週に1回、日曜日は高石市の漕艇センターで実戦練習
全員で練習。声を掛け合い、一つになれるとスピードも変わる
ボートに乗るまでのセッティングは、先輩や先生が念入りにチェック。
安全面には全員で気つける
岸田くん(中2・理Ⅱ6か年コース・中学ボート部キャプテン)
練習のたびにのめり込む
ボートの奥深さ
岸田くんがボート部に入部したきっかけを教えてください。
【岸田くん】
現在、清風高等学校に通っている兄が、中学時代にボート部に所属していたのがきっかけで興味を持ちました。毎年9月末に「保護者会」という、中3の家族を招待してボートに乗ってもらうイベントがあり、僕は小学生のときに参加して、「入学したら絶対にボート部に入ろう」と決めていました。
現在の練習カリキュラムは?

屋外の練習のあとも、
エルゴルームでフォームのチェックや筋トレ
【岸田くん】
平日は校内でエルゴ(正式名称はローイングエルゴメーター。漕手の漕力を測定し、水上での動きを陸上のトレーニングに再現する器具)を使って練習するほか、柔軟体操や筋トレを入念に行います。そして週に1回、日曜日に高石市にある漕艇センターに足を運んで、水上で実戦的な練習をします。早さを競う単純なスポーツですが、ボートは奥が深くて自分自身も練習するたびにのめり込んでいきます。
キャプテンとしては、どのような部にしたいと思っていますか。
【岸田くん】
楽しく話をするときは楽しく、まじめに練習するときはまじめにと、メリハリのある空気感が自然に生まれる部にしたいですね。まだまだ出来ていない部分もたくさんありますが、それが出来ると良いチームになると思っています。目標は、大会でメダルを獲ることです。実は台風や大雨の影響もあって、新チームとして大きな試合に出られていません。今後もどんどん試合が入ってくるので、勝つことだけを考えています。
勝つために一番必要なことは何だと思いますか。

キャプテンとして部員をまとめ、勝利を目指す!
【岸田くん】
やはり団結力です。漕いでいるときやスピードを上げるときも声を掛け合い、全員の息が整わないとなかなかスピードに乗れません。
練習を通じて養われる
コミュニケーション能力
練習で「ありがとう」という言葉をよく使っていると聞きましたが。
【岸田くん】
例えば部室に転がっているオールを後輩が片付けてくれたり、手の届かないものを同級生が取ってくれたり、また練習中の漕いでいる途中に指示を出してくれたチームメイトに「ありがとう」と声を掛けます。それは清風中学校だけでなく、ボートの世界では伝統的なことなんです。今の中1はまだまだこれからなので、僕たちが背中で示して成長させたいですね。
勉強も大変だと思うのですが、部活との両立のコツを教えてください。

コミュニケーション力、団結力は不可欠!
【岸田くん】
僕の場合は、与えられたことをしっかりとやりきることです。金曜日以外はすべて練習で、しかも帰宅すると時間も遅くなりますが、1日の復習をしたり、毎日テストがあるのでその予習をしたりと、時間が足りない中でも自分で調整をして勉強は出来ます。
話をしていると、清風中学校の皆さんはコミュニケーション能力が高いですね。
【岸田くん】
普段の授業でも積極的に話すのですが、その力は部活でも養われます。特にボートは団体競技であり、チームメイトと協力して漕ぐスピードやタイミングを合わせるのが重要で、コミュニケーションが取れないと致命的です。やはり人と密に話せる能力を持つことが大切ですね。
最後に、ボート部に入りたいという後輩にメッセージをお願いします。
【岸田くん】
練習が厳しい反面、勝ったときは言葉では言い表せない達成感が得られます。“勝利”という目標にチームメイトで向かう団結力が味わえるのもボート部の魅力ではないでしょうか。まだまだマイナーなスポーツですが、一度オールを握るとボートの楽しさに魅了されると思います。